- API について調べてみたけど、よくわからない…
- API の説明がエンジニア向けばかりで、イメージできない…
- API と Web API って同じなの?混乱する…
本記事では、上記のような悩みを解決するため、API・Web API の概要や違いについて、わかりやすく解説。参考になれば幸いです。
厳密性よりも、わかりやすさを重視して解説しています。
API とは?
API とは Application Programming Interface(アプリケーション プログラミング インターフェイス)の略語で、各ソフトウェアの機能やデータを繋ぐ橋渡しのような役割を持っています。
API を例えるなら、優秀な秘書に近いでしょう。スケジュールの予定(データ)を教えてくれたり、調整(データ操作:機能)してくれる秘書のように、API も仲介役として奮闘してくれます。
もちろん、各ソフトウェアの API を複数組み合わせることも可能です。
各ソフトウェアを連携できる API の性質から、レゴやテトリスに例えられることもあります。
API は、ポッドキャストのゲストによると、レゴの積み木、テトリス、玄関ドア、さらには人体の静脈など、あらゆるものに例えられるとのこと(DeepL による翻訳)
引用:a16z Podcast: The API Economy – The Why, What, and How
Web API とは?
Web API とは、インターネットを経由した API です。一方で、インターネットを経由しない API には、Windows API や Android API 等、デバイス内で使用できる API が挙げられます。
そして Web API には、以下2種類の API が存在します。
Web API | 意味 | 具体例 |
---|---|---|
ブラウザ API | ブラウザで動作する API | アラート用のポップアップ画面 |
サードパーティ API | 第三者(企業や個人)が作成した API | 楽天から商品データを取得 |
API と Web API の関係性をまとめると、下図のようになります。
非エンジニアの場合、Web API の中でも馴染みがあるのは、サードパーティ API ではないでしょうか。例えば、Google アカウントの認証も Google が提供する API によって実現できています。
このように、サードパーティ API を使えば、様々なサービスと連携でき、可能性が一気に広がります。
そこで、本記事ではサードパーティ API をベースに解説していきます。
わかりやすさを重視し、便宜上、サードパーティ API をサードパーティ製 Web API とします。
サードパーティ API が Web API であることを強調するためです。
- Web API は API の種類の1つ
- Web API はブラウザ API とサードパーティ API の2つがある
- API の中でも、サードパーティ API が馴染みが深い傾向にある
サードパーティ製 Web API の仕組み
サードパーティ製 Web API の基本的な仕組みは以下の通りです。
- API キーの発行を第三者に依頼
- ユーザーは API キーを取得
- 指定された URL with API キーで、API にアクセス
- 問題なければ、API と疎通でき、実行可能
基本的に、サードパーティ製 Web API は、API キー(鍵)が必要になります。なぜなら、自由に API を使えると、情報漏洩などセキュリティの観点から危険だからです。
例えば、Google アカウントの情報が誰でも API でアクセスできたら、大変なことになります。
そのため、API キーを取得したら、鍵のかかったドアを開くように、指定された URL with APi キーで、 API にアクセス。問題なければ、API 実行ができるようになるわけです。
API へアクセスするための URL をエンドポイントと呼びます。
サードパーティ製 Web API を活用したい時は、各社のドキュメントを参考にしながら、API キーの発行と API の実行方法を確認しましょう。
API の実行を「API を呼び出す」とも表現します。「API を叩く」と表現する方もいらっしゃいますが、物理的に叩くわけではないため「API を呼び出す」の方が自然に感じます。
有名なサードパーティ製 Web API の事例
有名なサードパーティ製 Web API の事例を以下にまとめました。
サービス | 【一例】できること | ドキュメント URL |
---|---|---|
ツイート投稿・タイムラインの取得 | Twitter API Docs | |
Google Maps | 住所から地図を表示 | Google Maps Platform |
楽天 | 商品の検索やデータの取得 | 楽天ウェブサービス: API一覧 |
YouTube | 動画のいいね数や再生数の取得 | YouTube Data API |
LINE | メッセージの送信 | LINE Messaging API |
Slack | ボットの自動投稿 | Slack API |
上記はほんの一部であり、他にも数え切れないほどの サードパーティ製 Web API が世の中に公開されています。
API の料金はサービスによって異なるため、ご利用の際は料金テーブルを必ず確認しましょう。
海外では、サードパーティ製 Web API が盛り上がっており、下図のように金融や E コマースなど様々な分野に特化した API がたくさん存在します。
出典:The Third-Party API Economy. How to Give Your Users Superpowers | by Grace Isford | Medium
サードパーティ製 Web API のメリット
ここまで API や Web API、サードパーティ製 Web API について、ザックリと理解を深めたタイミングで、サードパーティ製 Web API のメリットを紹介します。
- 各ソフトウェアの連携が簡単にできる
- 開発コストの削減
- 新たな価値の創出
- 様々なデバイスに対応できる
様々なソフトウェアを簡単に連携できるため、効率の良い開発が可能。さらに、様々なソフトウェアを自由に組み合わることで、新たな価値を生み出しやすいです。以下、一例になります。
- LINE Messaging API で PR 情報を自動配信
- Twitter API で反響が多かったツイートを収集 → 分析
- チャットアプリの API を使い、情報共有を自動化
また、サードパーティ製 Web API はインターネット経由のため、Web サイトや Web アプリケーションだけでなく、モバイルアプリにも対応しています。
サードパーティ製 Web API の注意点
サードパーティ製 Web API は、提供しているソフトウェア会社に依存するため、機能の停止や有料化など予期せぬ変更に見舞われる懸念があります。
API は便利ではありますが、突然の仕様変更というリスクがあることを覚えておきましょう。
さいごに
- API とは各ソフトウェアの機能やデータを繋ぐ橋渡し役な機能
- Web API はインターネットを介した API
- サードパーティ製 Web API は、API キーを用いて外部サービスの機能を利用でき、開発の効率化や新たな価値創出が可能。
- API は便利な一方で、提供元の予期せぬ変更リスクもあるため、注意が必要
近年、便利なサービスやツールが急激に増えたことで、サードパーティ製 Web API の組み合わせにより、新たな価値を創出しやすくなりました。
特に、テクノロジーの進化も著しい時代において、変化に強い Web API はますます重要になっていくでしょう。
だからこそ、これからの時代では、API の知識や API を使いこなせるスキルの有無は、事業にも大きく響いてくると予想しています。
API・Web API の知識を深めるキッカケになれば幸いです。